ポジティブ心理資本とは
こんにちは、ハリーです。
人間関係に悩んでいる、毎日の仕事で疲れている、日常生活に飽きた、もっとこんなことをしたいのになかなかできない、やりたいことが見つからない、生き生き活動している周りの人がうらやましい・・・
など、そんなみなさんへ今回ご紹介したいのが「ポジティブ心理資本(Positive psychological capital)」です。
ポジティブ心理資本の4つの要素
ポジティブ心理資本は、最近はやりの「ポジティブ心理学」の研究から発見されたものです。
ポジティブ心理学は、2000年ごろにアメリカの心理学協会で提唱された考え方です。それまでの心理学は人間の負の心理側面やマイナスの感情に注目していました。
逆に、人は元気が出るときがあったり、やる気を維持して何かに取り組んで目標を達成することもあったり、人を助けてもっと意義のある人生にしようとしたりします。なので、人間が人間らしくあるために必要な部分に焦点を当て、人間のこころを解明しようとする、それがポジティブ心理学の考え方です。負の側面も人間らしいものだと、僕は考えてますけど。
ポジティブ心理資本は、4つの要素から成っています。
- 高い自己効力感
- 楽観主義
- 希望
- 弾力性(レジリエンス)
高い自己効力感(Self-efficacy)
難しい課題や仕事に直面したとき、困難な状況にぶつかってしまったとき、みなさんの心はどう反応しますか?
「ダメだ・・・自分にはできない(だって××だから)」「あ、ムリムリ。パス」
と思う人もいれば
「自分にはできる!」「やってみれば何とかなるんじゃね?」
と思う人もいます。
自己効力感は後者の心理的な反応で、ある状況で設定された目標を「自分にはできる力がある」と自信を持つことです。
子どものころからスポーツや音楽、勉強、ゲーム、何でもいいのですが、自分の今のレベルよりも高い目標、あるいは、高く見える壁に立ち向かって、越えていった経験がある人はすぐにピンと来るのではないでしょうか。
特別なものではなくて、料理でもランニングでも、趣味の分野でも誰もが何かしら経験したことがあることだと思います。それを継続して自分を磨き続けていけるかどうかが、ポイントでしょうか。
特に、仕事においてはレベルの高い内容や複雑なもの、これまでに経験したことがないものが多くあります。周りのサポートを得ながらでも、逃げずにこなしていく経験を積むことができれば、身の内の財産になることは間違いないでしょう。
そういった身の内の財産が、自分の心の資本となって、人生を前向きにとらえる後押しをしてくれるのだと思います。
楽観主義(Optimism)
「大丈夫、何とかなる」
「なるようになる」
最近、そう思ったことがどれくらいあるでしょうか?
実際に、何とかなるかどうかはその後の行動や状況の変化によるのですが、少なくともスタート地点で悲観的になりすぎず、オープンな可能性について考えてみることも大切だと思います。
そして結果についても、ポジティブなものについては「内なるもの」、つまり自分や自分が所属する組織のおかげであると考え、ネガティブなものには「外のもの」のせいで、柔軟に考える傾向を楽観主義の人は示すんですね。
何でも人のせいにするのは人間関係上よくないと思いますし、自分を責めすぎる人はともするとうつ病などになってしまいます。適度に内と外のバランスを取れる楽観的な人は、良い自己評価にもつながることにもなって、精神衛生的にもよいわけですね。
そして、物事を前向きにとらえることで、将来的な成功や目標達成につなげて考えられます。
希望(Hope)
希望を持つというより、どちらかと言えば「希望が持てる状態」や「成功の具体的なイメージがある」といった方が適切です。
自分が向かうべきゴールが頭の中ではっきりしていて、そこに向かう道筋も具体的になっている状態。つまり、「成功感=目標見てるとなんか成功しそう」と「プロセスの自己設定=これってこうやればできるんじゃね?よし、やろう」の2つの要素によって成り立つものです。
何かよくわからない状況でやみくもに「希望を持て」とか「何とかがんばれ」とか、すぐに精神論に行くのはよくありません。ある状況や問題に直面していて迷っている時に、「落ち着くべきところ」「向かうべきところ」はどこで、次に何をすべきなのか、そういった具体的な話に落とし込むことが必要です。
ところで、少し話はそれますが東京大学の社会科学研究所では「希望学」といって希望をテーマに研究することが進められています。
「極限の状況下では、かえって希望を持たない方が生き残る例がある」、つまり状況によっては早い段階で絶望している方が、淡々と生きていける、そういうこともあることを示しているのが面白いと思いました。
弾力性(Resilience)
ここ数年で、レジリエンス=再起力という言葉が流行してきました。
災害を受けた地域が、原状またはそれ以上の姿に復興する。それを人に例えて、逆境や困難にぶつかっても、そこから立ち直ってしなやかに生きていく力をレジリエンスと呼んでいます。
企業や組織で生きていくには、こういった力が必要で、ストレスとかあつれきがあっても、それにめげずにうまくやっていこうよ、だからレジリエンス身につけていこうよ、というわけですね。
心も浪費ばかりせず、貯金(貯心?)しよう
資本、という言葉が使われているのは、自分のプラスの経験や状態を記憶してしっかり胸に刻み、後々の人生に有効活用しようということだと思います。自分のエネルギーを、本来使うべきでないところに浪費して貯金をマイナスにするのはやめましょう。もっと別の側面に目を向けて、必要なときに前向きになれるための自分のエネルギーをためる貯心をしましょう。これは僕が勝手に考えました。
人間関係の改善や、問題の解決も、結局は自分に余裕がないとできないことです。どこかで負の連鎖を断ち切るには、そのことについて思い悩むのをやめるか、そもそもの関係を断つか、自分が変わるか、です。
よく、年のいったオジサン方が「昔はこうだった」などと武勇伝や過去の成功事例を語って若い人や女性たちに嫌がられるシーンを目撃しますが(僕も気をつけよう)、これもひとつのポジティブなオジサンの心理資本なわけで、どうにか目をつぶってやってください。
ただし、「前はこうだった」といって時代に即した業務改善しないのはただの職務怠慢です。新しいことへの免疫がもはやなくなっているオジサンも、成功イメージが今後も持てるように、配慮しないといけないのが面倒なところですね。