ハリーのタカの目ブログ

起業日記になりそうな予感

福岡で起業、5年目に入りました

ご無沙汰してます、ハリーです。

インフルエンザのアーリアダプターになってしまい、最近39度超の熱でひとり苦しんでいました。


さて、今年もこの季節がやって参りまして、会社をつくってから4年が経ちましたので勝手に振り返ります。口調も変わります。

【過去記事】
harryike.hatenablog.com

harryike.hatenablog.com

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あっという間だった

年齢を重ねると時が経つのが速くなるという。この一年を振り返るとがむしゃらに仕事をした気がするし、娘が産まれた現実に自分を追い付かせることが全てだったと思う。娘は日々進化しているので、自分をアップデートすることはしばらく現在進行形だろう。

昨年は三年間大口だった顧客の契約がなくなった状態からスタートし、先行きは不透明だったが、結果として前期でV字回復したままの業績が今期も横ばいで終わった。収益の構成が大きく変化しながらも数字を維持できたのは非常に大きかった。

それまでは不本意な仕事の割合が高かったが、自分と会社を繁栄させるための仕事や、取り組んでみたかった仕事が徐々に多くなっていった。

今、目の前に広がっている景色は昨年よりも前には当然見えていなかったもので、その調子で頑張ればここにたどり着けるのだと過去の自分に教えたいが、そんなことはかなわないし、同じようにこの先に何が待ち受けているかなんて、誰も教えてはくれない。自分の眼で確かめるしかないのだ。

「意志あるところに道あり」。

以前との違い

一昨年や昨年の同時期と決定的に異なることがひとつだけある。今期、つまり、この先の一年について一定程度の収益が見えていることだ。昨年までは大口だった顧客との契約がどうなるか毎年びくびくしていたし、自分の満たせるニーズなど何があるのか探り探りで進む以外なかった。

僕の人生では何度か「捨てる」ことが大きなテーマになってきたが、大口契約をある意味捨てる方向で動いていたことは正解だったのだ。周りからはおいしい話だったのにもったいなかったのでは、と言われたりもしたが、自分と会社の身を軽くする選択によって、その新たなスペースに入れられるものが現れるようになったのは偶然かもしれない。後になれば何とでも言えるものだし、都合の良いように解釈するように人間はできている。

いずれにしても、これまで勝ち得てきた実績の延長線上に自分と会社があるのは間違いないし、あの点がなければ、この線もなかったことに後で気付く。これからも謙虚と感謝を忘れずに生きていくだけだ。運は常に目の前にある。

誰と付き合うかは自分で選べる

社会に出るとそれまで自分が生きてきた世界がいかに狭かったかを思い知るが、サラリーマンを辞めるとさらに会社という世界の狭さを痛感する。

サラリーマンを辞めてから本当に色々な人と出会ってきたが、会社をやっていると自分がムカついた相手とは付き合わないという選択ができる。それが仮に顧客であっても、自分の好みにそぐわなければ関係をやめる権利がある。逆に、いくらこちらが関係を続けたいと思っていても、どうにもならないこともある。これは、将来一緒に仕事をする仲間が増えたときに大切にしないといけないことだと思う。本人が続けたくない関係と会社との関係を考量した際に、関係をやめるという選択肢も用意しておかなければならない。

仲間が増えるのはいつかな

ところで、サラリーマンをやっているときはあまり意識しなかったことだが、人を正規雇用するのに年間でいくら必要だろうか。

仮に年収額面が500万とする。
そこに、会社と個人が支払う社会保険料(健康保険と厚生年金、40歳以上は介護保険)を約30%見積もる必要がある。
つまり、500万×0.3=150万
これを個人と会社で折半するので75万ずつ

つまり、個人は500万-75万=425万がだいたいの手取りになる(所得税と市町村民税がさらにかかる)。これは給与明細にも書いてある。

ここで見落としがちなのは、会社が払う残りの75万。
さらに、交通費や活動諸経費を考えると年間で100万くらいは要る。
したがって、500万の年収で仲間に入ってもらうには少なくとも年間で
500万+175万=675万
ざっくり700万くらいは必要ってことだ。さらに会社を維持するための諸経費を考えるとあと数百万は要る。自分の給料を出そうとすればさらにさらに。

今、取り組みたいことはやれているものの、もちろん120%ではない。このまま自分の手掛ける仕事を拡充すれば、上↑↑で計算した金額も夢ではないのかもしれない(もちろんすぐには無理だが、そう思えるような所まで来れたのが奇跡みたいだ)。

要は自分の仕事の付加価値を高め、契約数を一定程度確保できれば良い。しかし、これはマンパワーに頼る労働集約型のビジネスモデルに過ぎない。

仲間が加わったときに相乗効果が現れるかもしれないし、あるいは、僕の仕事は属人的すぎるので再現性は低く、拡大再生産ができないのかもしれない。ほんと、他の色々な会社はよく人雇ってやってるなぁと感心する。

とにかく今のビジネスモデルにもやはり限界があり、何かしらの突破口を見つけなければ仲間を増やすだけの財政的基盤を構築するのは現状難しい。仮にたまたまその年にお金が確保できたとしても、その翌年はどうなのか? そんな不安定な状態で仲間を引き入れられるのか?

恐らく、ベンチャー企業やスタートアップの多くは初期の不安定な状態でも共に闘ってくれる仲間が複数いて、自分の将来や人生など顧みずに突き進めるだけの勢いとかエネルギーがあるのだろうと思う。それだけに、方向性がずれたときや対立が生じたときの不可逆性も大きいのかもしれない。

若さゆえを言い訳にするには少し年齢を重ねすぎたのだろうか。この辺の議論は数年前からぐだぐだと変わってないが、少しずつ進展しているような気もする。

同年代の経営者に刺激を受ける

共に闘ってくれる仲間はいなくても、一緒に考えてくれる仲間はいる。所詮、自分の頭だけで考えることなどたかが知れている。一緒に考えて、何の気なしの意見やアドバイスをもらえるだけで、それはとても有り難い。

今年の初め頃にひょんなことから高校時代の部活の後輩が起業して会社をやっていることを知り、コンタクトを取ったら全く雰囲気変わってないねということで懐かしくも、お互い独自の道を歩んでいることに驚きもした。

彼もほとんど同時期に起業していたが、一緒に闘う仲間がいて、紆余曲折ありながらも今は8名体制で頑張っている。彼と、彼のビジョンに共感して集まった人の出会いは僕にとっても大きく、心強い仲間を得た気持ちになった。

実際、この何をやっているか得体の知れない先輩のために何か色々と考えてくれていて、共働も生まれつつあるので今後の展開を楽しみにしたい。

副業万歳

フルタイムの仲間はまだ無理でも、部分的に共働してもらうことは可能だ。

優秀な能力を持ちながらもサラリーマンとして力を十二分に発揮できずくすぶっている人はいる。そのような方には会社という枠を超えてチャレンジしてもらうのが一番で、つい先日ようやく企画を実現までこじつけることができた。

お客さんに対して自分以外の人を前面に押し出すことが初めてだったので、僕にとってもチャレンジだった。

その方には会社に内緒で有休をわざわざ取って来てもらったので申し訳なかったが、これもまた何か歯車が動き出すきっかけのようなものになった気がする。

インターンのゆくえ

第一期生のゲイバー通いの女の子は卒業してある上場企業で働いているが、なんかチームがうまく行かないと相談してきてチームビルディングを学びたいと言ってて非常に頼もしい感じなので、色々アドバイスしといた。その後色々あってチームを引っ張る役目を与えられているらしい。たくましく成長してもらいたい。副業OKの会社なのでなんか巻き込むつもり。

第二期生5名は四年生になり、東京やら名古屋やら福岡やら、就職が決まっていて一人を除いていわゆるIT系。しかも二人は偶然同じ会社。

気付いたら最初の出会いからもう二年経過していて、最初は色々やらかして頼りなげなことも多々あったけど、いつの間にか普通に仕事がこなせるようになって、後輩も引っ張ってくれている。仕事は任せておいたら勝手に進めて忘れた頃に的確な報告が来るし、困ったらちゃんと相談してきて、そこそこのアドバイスを与えるとまた勝手に解決できる。5名ともそれぞれ個性の違いが顕れていて、もちろんまだまだこれからなんだろうけど強みを活かしてがんばってほしい。

昨年の11月に参加した第三期生は現在5名(2名が半年以内に離脱した)。一年次から参加している学生もいて、もしずっと続ければ都合3年半僕と付き合うことになるが、どうなるかとても楽しみだ。

三期生はこちらの事情で飲み会をするタイミングが遅くなったり、回数を設定できなかったりしていまいち距離感をつかめてない気がしていて、反省している。あと、先輩達が既に拓いた道を見ているのでインターンに臨む感覚もちょっと違うところもあるのかな、と思う節もある。

いずれにしても、与えられた仕事に一生懸命取り組んで、もちろん失敗はしながらもとにかく前に進もうとする姿勢には好感が持てる。どんどん失敗してほしいし、小さい成功体験を積み重ねながら彼・彼女たちがこの一年でさらにどう成長するのか見守りたい。

そしてもうすぐ第四期生の新加入時期。どんな出会いが待ってるんだろうか(というか、出会いがあるかもわからんけど)。

ちなみにこのインターンのウェブサイト制作実績は数えたら15件になっていた。今も増えつつあるが、大したもんだ。

国語力強化プログラム

ところでインターン生の一人がとある野望をもとに「小論文をまともに書けるようになりたい」と言ってきた。意志や希望を教えてもらうと何とかして応援しようというお節介の血が騒ぎ「毎週図書館に行って読んだ本の要約をブログに書け」という指令を出した。

良質なアウトプットをするには、まずはインプットの量を増やすしかない。量をこなす内に質は自ずとついてくる。多くの人がいきなり質を狙おうとするので途中でつまずくが、質を気にせずまずは量なら誰でも行ける。そして、継続することが何よりの力になる。

そんなインターン生が「早速行ってきました!」と連絡してきて、おお、と思って送られてきた写真がこちら。

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こ、こいつはヤバイ匂いがする…

詳細は割愛するが(するんかい)、その後も彼は読書をしばらく続けて数か月間ブログを書いていたが、後の方になるとかなり文章の内容に変化が現れてきて、やっぱりインプットとアウトプットの掛け合わせって大事だなと思った。

ちなみに、インターン生には「自分のために」日報代わりとしてブログを書きな、と何度も口を酸っぱくして言ってきたが、最近はあえて言ってない。先日も本当は書くべきタイミングがあったが、僕が何も言わなくても書いたのは10名中2名だった。その2名は既に反射的にか、意識的にかわからないけど手が動くが、8名は僕が言わないと動かない。それぐらい、自律的に継続するというのは難しいことなのだと思う。

よく経営者や上司をしている人から「(社員や部下が)やらないんですよねー」という愚痴を聞かされる。比較的時間のある大学生でさえ、自分のためでもやらない割合が8割。給料もらっている社会人でさえやるべきことをやらないとなると、それはもうそもそも人間ってそういうもんだと思わざるを得ない。だから、本当にやってほしかったら言い続けるしかない。言い続ける自分のことは段々嫌になるが、それでも必要だと思うならば言い続けなければならないのだ。そして、「あの人いっつも〇〇のこと言ってる」「〇〇のことしか言わない」と言われるくらいにならないと、徹底したマネジメントは難しいと思う。

僕の場合、インターン生がブログを書こうが書くまいが、はっきり言って僕には何の関係もない(もちろん、書いてくれたら楽しみに読む)。彼らのためを思って最初からしばらくは言うようにしているしルールとして課しているが、もう大人なんだし、自分でそういうことに気付ける人なのかどうか、冷静に判断している。だからいつまでも言いつづけることはしないし、自分にとって無意味だと本人が認識しているなら、強制して書かせても仕方ない。そんなところのマネジメントで消耗することこそ無意味だ。地味な蓄積ができないと長い目で見たときに厳しい部分も出て来ると思うが、それはそれ。気付いた時に修正できればいいと思う。

ただし、決められたルールをどうすれば自律的に守れるのか、そこはまだ研究の余地がある。また、パフォーマンスに影響する部分については今後も言い続ける。個人の課題と、会社の課題は別だ。

事前開示 > 事後指導

毎年インターンメンバーの育成やマネジメントについては、確たるものがあるわけではなく、試行錯誤を続けている。

「セルフマネジメントの原則」を追求しながらも、最近思っていることは仕事を進める上で自分が何を気にしているか、大枠の行動指針を先に示す方が良いだろうということだ。

僕が本業でやっている仕事は、その日その瞬間に来た案件に対応する短期的なものではなく、目標設定をし、納期を定め、プロセスを組み、創造性も働かせながらお客さんとの共働をしつつ、軌道修正も交えながらトライ&エラーで進む長期的なものだ。

これはとても当たり前だったが、よく考えてみると大学生がやっているアルバイトの仕事内容はほとんどがその場、その日に終わる超短期の仕事が多い。飲食や塾講師、小売の仕事など代表例を見て、はたと思い当たった。

そもそものスタンスの違いと仕事の性質の違いを踏まえた上で、長期的な仕事に取り組むための心構え(マインド)と仕事の進め方について、具体的なパターンを示しながら先に教えておくほうが良いと思い始めた。

前まではあえて落とし穴にはまったり、失敗することで学習も大きくなると考えていた節があったが、最近、自分の価値観や仕事の定石について明確にアウトプットできるようになってきたので、今度からは事前開示>事後指導で臨んでみようと思う。

インターングループが増えた

今年の5月に既存グループとは別の大学で、インターングループを新しく作ることになった。
こちらは仕事というよりは、大学(特定学科)の広報を真剣にやってみようということで、
ややサークルにも近い。サークルを仕事ライクに進めるとどうなるか、楽しんでやっている。

しかし、大学が異なるとやはり学生の雰囲気も異なるもので、面白いものだ。

組織のあり方について考えた

最近、会社の社名を変更した。実はそれまでの社名があんまりしっくり来てなくて、四年間ずっと悩んでいて、ようやく五年目の節目で変えるに至り、すっきりして気分も変わった。

それに先立ち、一体自分は組織としてのあり方について何を理想としているのか、明確にしてまとめることにした。お客さんに組織ビジョンと組織戦略策定を定めた方がいいですよとアドバイスして手伝う機会があり、ふと、あ、これって自分もやった方がいいなと思い、作ることにしたのだ。

それがまとまれば新しい社名も決まるかもしれないと思い、着手した。そしたら意外と面白くなって、今まで頭の中だけで考えてきたことを、望ましい組織形態や行動原則、目指すべきビジネスモデル、働き方などのカタチにして再構成しながら一気に書き出していった。

数ヵ月をかけて作成したが、ひとつの完成形として今後の展開を考える上で、考える軸になるし、原点回帰することで意思決定がブレにくくなった。思った以上の効果が得られたので、今後も洗練して周りの人に共有したいし、組織のあり方を明確にする支援を仕事にしていきたい。

この一年で変わったその他のこと

これ以上は長くなる(もう十分長い)ので、簡単に列記。

・子育てが始まった
・寝不足になった
・体調を崩しやすくなったのでこれからの一年は肉体改造に取り組む
・遂に酒量を減らすことにした
・美術館に月一で通うようになった
(VTSを知ったのでやってみようと思い、知人を誘って始めたらかなり面白かったので継続。博物館とかでもできる。思いもよらない他者の視点を学べるのは大きい)
・政治を理解し始めた(友人が選挙に出て議員になったのがきっかけ)
・キャッシュレスを始めた(インターンメンバーには交通費をLINEpayで払うとか)
・AIの勉強して資格を取った
・お世話になっている方が設立した法人の理事になった
・自分が作った社団法人は全く活動せず税金だけ払ったが、お世話になっている方に理事になってもらったのでこの一年で活動をしたい
・哲学を本格的に勉強し始めた(ソクラテスから)

変わらないこと

勉強する
人と会う

これは変わらず続ける。


以上、長々とお読みいただきありがとうございました。