ハリーのタカの目ブログ

起業日記になりそうな予感

1年半、大学生インターンを受け入れてて思ったこと

どうも。

まさかの昨年10月以来の投稿、福岡で経営者をやっているハリーです。

ニートの話どうなったんや」ーそういうツッコミもあると思います。実は、自分で書いておきながら僕もものすごく気になっていて、早く先を書かねばと思いつつ「235日前」で物語が止まってる。最近ジミーにまた新たな展開あった。

いかん。これはいかん。

 

 

今年の流行語大賞は「再発防止」で決定(?)

ていうか最近、「再発防止」の文字ばっかり、テレビとか記事とかで見る。

「再発防止」ってなんや、と。

またどこぞの官僚が今年の流行語大賞生み出したんかな。

再発防止で何とかなるんやったら、誰も苦労せんなぁ(いや、それで官僚は実際に苦労してるんやろうけど)。

いい大人が「再発防止」て言っとけば何とかなるような社会の風潮を作りだしてる気がする。

でも、ほんといったいどうしたら再発せんのやろ。

今回はそういう話。

 

インターン生、絶賛活動中

2016年の11月くらいから大学生のインターンを2名受け入れて、1名は昨年春に就職(※)。昨年10月にまた新たにメンバーが加わって。今、全部で7名。すごいことだ。

※ 先日、彼の就職先がTwitterのトレンド入りしていたので連絡とったら、まさかのTwitter公式アカの「中の人」をやっていたらしく、まじで笑った。

初期教育期間を抜けて、彼・彼女らは実際のお客様相手にサイト制作の仕事に取り組んでいる。

単に「サイト制作」って言っても、簡単な話ではない。

僕は、助走の部分の話をつけて、ある程度の方向づけを行うだけ。後の、詳細を詰めたり、お客様とやり取りしたり、進捗したり、そういうのは全部学生のチームにやらせている。

普通のインターンだったら、社員が言うとおりに手を動かすだけだったり、言われた部分のコーディングやったり、そんな感じかもしれない。

でも、僕はそんなのインターンじゃないと思ってるし、実際の仕事ってそんな話では済まない。

AIだIoTだなんだって言っても、仕事には「割り切れなさ」があるのが常だ。つまり、仕事には往々にして「異様に幅広いストライクゾーン」が存在していて、時々「この角度、このスピードでしかストライク取れない」というゾーンになったり、さらに、その外側に「果てしないグレーゾーン」があって、またその外側に「あ、これはいかんよな」っていう「レッドゾーン」がある。

うちのインターン生は、僕との関係の中で恐らく「割り切れなさ」を感じているし、お客様とのやり取りの中で「くっ、正解は一体どこにあるんだ…?」ともがいているだろうと思う。

毎日顔を合わせるわけではないし、普段のやり取りは全部LINEでやって、月に1~2回顔を合わせる。

最初の頃は毎週顔を合わせていたけど、それなりの関係が出来て、クライアントとのやり取りをするチームが編成されてからは、自律的に進められる体制を構築して、後は学生の思うままにやらせている(セルフマネジメント乙)。

もちろん、本人たちが「やっている」と思っているか、「やらされている」と思っているか、そこは僕はよくわからない。ただ、一般的なインターンだったら途中脱落者がいるのが常で、何も言わずに消えていったり(僕はこれを「神隠し」と呼んでいる)、なんやかやと言い訳をして辞めるのが普通だろうと思う。半年以上経っても、辞めないのはそれなりに理由があるのかなと思う。実は、「本心から辞めたい」と思っていたらどうしよう、と時々思うこともある。

それで思い出した、そういや神隠しが1名いたんだった。何となく最初から想定はしていたし、別にいいけど(どこかで良くないと思っている自分がいることも確かだが)。

で、話を元に戻すと、昨年10月から20歳そこらの、7名の学生たちと付き合って(もらって)きて、正直なところ、やってて良かったな、と思うことばかりだ。

 

「いい経験」はお互い様?

僕はさっきも書いたけど、学生たちにあれこれ細かい所まで指示・命令したりすることはない。サイトのつくりや見映え、言葉づかいについては対外的なことを意識して、かなり細かく注文するけど(実際、かなり細かい)、それ以外の部分は「まずはやってみよう」でやっている(と僕は思っている)。

例えばメールを書く場合や、客先への訪問マナーなど、調べる必要があれば「調べといたらいいよ」くらいで済ませる。後は、経験が教えてくれる。もちろん、それが当たり前だと思ってしまうと変な癖になるので、どこかで学び直す必要があるのかもしれない。でも、「実際の経験」というベースがあって学ぶのと、何もないところから盲目的に学ぶのでは、全く違う。

さらに、学生たちにはどんどん失敗してもらっている。

仕事にはたくさんの「落とし穴」がある。そう、僕は気付いているが、彼・彼女たちはまったく気付いていない落とし穴がたくさん存在するのだ。もちろん、僕自身が気付かないものもある(おい)。

パタナーリスティック(家父長的)に、あれやこれやと過保護に介入して、落とし穴にはまらないようにすることもできるかもしれない。

でも、僕自身の経験から言って、「失敗」の先には「成長」しかないと思っている。時には、「諦め」につながるパターンもあるだろう。

よく、「失敗↔成功」という二項対立の図式で語られるが、これは間違っていると思う。

失敗の対義語は、「達成」、「怠慢」や「劣化」である。つまり、「成長・学習・諦め←失敗↔成功→達成・怠慢・劣化」という、一歩進んだ図式で物事を考えた方が、精神衛生上良いし、すんなり受け入れられると思う。

「勝ちは勝ちの不思議あり、負けは負けの不思議なし」という言葉が僕の心に残っているが、結局、若いうちにどんどん失敗した方がいいと思う。そうしたら、年を重ねてからも失敗できる。これは、これまで何度も転んだ時に、必ず何かを掴んで起き上がってきた僕だから言えるのかもしれない。だから、インターンのみんなにもどんどん転んでほしいと思う。

大切なことは、失敗したりつまずいたときに、僕からあれこれ言われることではないし、僕が手を差し伸べて起き上がらせてもらうことでもない。「何が問題だったのか」「これから何を気を付ければ良いのか」「同じ失敗をしないためにはどうしたらいいのか」、そういうことを「考える」ことだと思う。

先日も、インターン生がある企業とのやり取りで制作納期を「1ヵ月」で設定していたところ、結局まったく思うように進まず、納期が1ヵ月以上先になりそうという事案が発生した。IT業界ではよく聞く話で「日常茶飯事だぜHAHAHA!」だが、「よく聞く」ということと、「自分たちがやらかす」では話が全く違う。

「もう金はかかってるし、時間もエネルギーもかかってるし、これ、いつ完成するんだよ…」

そういう割り切れなさの中で、「もしこの何もしていない中で固定的な給料が発生してたら?」「クライアントに損失が発生してたら?」という問いを自問自答すると、段々社会人らしくなるんじゃないかと思う。インターン生には、仕事が完成したらそれなりにクライアントから対価をいただいて、お小遣い程度かもしれないが払うつもりだ。完全なタダ働きではない。実際、一昨年から働いてるインターン生には成果分を払っている(バイトの方が稼げるとは思うが)。

もちろん、金がすべてではないが、商売ってのは金抜きには語れないし、金と信頼関係を媒体として成り立つ代物なので、そういう意識を早くから持っていると、社会人になってから苦労しないだろう。その意味で、こんな失敗がたくさんできて許される環境はなかなか無い。いい経験できてるんじゃないかな(自画自賛乙)。

一方で、僕がもし固定的な給料を払っていたとしたら、僕は何も言わないで済ませられるだろうか? これは非常に核心に迫った問いかけだと思う。社長は社員に給料を払う。それで成果がなかなか出なかったり、うまく進んでいなかったりすると、イライラする。いつになるのか、どうなってるのか、一体何をやっているのか。

実際、僕は給料を払っていなくても、クライアントとの関係でかなりやきもきした。どうなってるかなーと気にしては待ち、気にしては待つ。ちょいちょいつついてはいたものの、ある時を境に、それも止めた。とにかく気長に我慢しようと覚悟したのだ。別に会社がつぶれるわけじゃない。クライアントからクレームが出たら、最悪、僕が謝ればそれで済む。

で、いったん覚悟を決めると、色々と気持ちが楽になったのは事実だ。何というか、インターン生がやることを、かなり引いた所から見れるようになった。失敗についても、寛容に受け止められるようになった。以前の僕ならあまり考えられない。そういう意味で、僕も色々と学んでいるし、良い経験をしているのはお互い様だなと思う。

 

「ルールは破られるためにある」― たかが日報、されど日報

それで、たまたま今日も発生した事案。

インターンを開始したとき、「単にインターンやって終わり」ではいけないので、その時学んだことや気付いたこと、行動したことを、後々振り返るメモとしてブログに書いて、日報代わりにするということを約束した。きっと就活にも生きるよ、と。

で、「インターンの翌々日までに書いて連絡すること」とした。これは一つのルールだ。

ルールというものは、非常に厄介なものだ。僕はルールがあまり好きではないから、人をルールで縛ることをしたくない。

けれども、ある程度の方向性を保つためにはルールが必要なのも理解できる。それに、インターン生のためにもなる。これならいいだろう、ということで、ルール第一号だ。

実際、日報なんて社会人はみんなその日のうちか翌日までに書くだろう。日報がないところもあるかもしれないが、自分の足跡を残す意味では非常に重要な行為だと思う。

しかし、思ったとおり、これがなかなか守られない。

簡単な話だ。僕が「ブログ書いてね」と言えば、インターン生は「やばい」「忘れてた」と思って、書く。

でも、それって何のためのルールだろうか? 僕がルールか?

僕は目覚まし時計としてジリジリと騒音を鳴らしたくなんかないし、そんな人生まっぴらだ。できれば僕は何も言わずに、勝手に、積極的に書いてほしい。でも、ルールは誰かが言わないと機能しないのか?

それでも、僕が言うのを我慢していると、ちゃんとルールを守って発信するメンバーもいる。こういう子がいるととても助かる。一人が書けば、それを皮切りに次が続く。リーダーがいて、フォロワーがいるのと同じだ。

でも、フォロワーが途中で切れることもある。これってなんだろう? ルールを守る人もいれば、そうでない人もいる。これは意識の問題かもしれないし、他に理由があるのかもしれない。

僕は組織づくりのプロとして、この問題にはかなり真剣に考えている。医者の不養生、灯台下暗し、みたいな話だ。

もしかしたら、「ブログを日報代わりに書く」という仕組みが間違っているのかもしれないし、インターン生が自分から「書きたい」と思うような仕掛けが足りないていないのかもしれない。

僕は、どちらかというと今まで好き勝手に自由に生きてきた人間なので、基本的にはその環境の中で最大限できることをやろうとしてきた。より良い方法があればルールも破るし、利用できるものは可能な限り利用してきた。したがって、インターン生の態度に物足りないな、と思うことも時々あるけど、僕の価値観を押し付けることは出来ない。それはブラック化と同じだ。

だから、この問題はこれからインターン生とも話し合って、解決しないといけない話だと思う。

たかが日報だが、じゃあ、もっと大きく、重要な仕事になったら、今のままで済まされるのか? やはり、されど日報。

それと、スピードも重要だが、「質」の問題もある。速いことも重要だが、限られた時間の中でどれだけ「質の高いアプトプット」ができるか、についても、やはり真剣に取り組まなければならない。

インターン生たちのブログを読んでいて、失敗をしたチームとそうでないチーム、失敗をしたチームの中でも、メンバー間の質の差、に僕は気付いている。

これは、何だろうか? とても面白く、そして、これからも考える価値のあることばかりだと思う。

えっと、つまり、「再発防止」って具体的にどうするんや!と、そういう話。

ということで、インターン生のみんなには感謝。