ハリーのタカの目ブログ

起業日記になりそうな予感

就活もしてなかった大学中退予定のインターン生、就職が決まりました

ハリー(経営者@福岡)です。

昨年から大学生のインターンを受け入れています。これから社会で役立つのは少なくともWebスキル(htmlの基礎から)だな、と思い、それを教えてコンテンツをつくる力や発信力を身につけてほしいなと思い、始めました。

男女1人ずつで、男の子は4年生、女の子は2年生でした。

男の子はわけあって卒業できず、大学の先生やご両親とも相談の上、中途退学することになっていました。

その大学の先生は「腕に何か技を身につけてほしい」ということで、中退前に何かしら社会とのつながりを持っておけば、将来的に就職が有利になるかもしれないと思っていたそうです。

そこへ、僕が「うちでインターン受け入れたいんですけど、誰かいい学生いませんか?」と来たものだから、これはもうカモネギのごとく「いますよ」と言われ、あれよあれよという間に決まりました。

もうひとりの女の子も含めて、先生の周りにいる「クレイジー」な学生たちのうち、ツートップがめでたくうちの会社に来ることになったわけです。

二人とも「自称コミュ障」ですが、別に話すのに支障はありません。

男の子は自分でちょっとずれていることを自覚している変わった子で、女の子は「うちはまともです」と言いながらゲイバーへと通い詰めるノンケの20歳。

「ヤバいやつきたなー」と内心思いながらも、まぁなるようになる、と思ってやってました。

プログラミングとかって、やってみないと話が進まないので、とりあえず写経のように見よう見まねでやらせると、意外とすんなりやれるもんです。

難しい理屈とか説明せずに、こうすると、こうなる、を繰り返してひたすら断片化された経験を積んでいくと、やがてまとまった知識が脳内に蓄積されます。

しばらくすると、基本動作(たとえばサーバを直接介したファイルのやり取りやバグ取り)なども言わなくても自分でできるようになります。

htmlとかCSSをひととおり教えて、Javascriptとかも簡単に教えると↓みたいな遊びもできるようになります。ページにアクセスすると、メッセージが表示されるパターン。

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そんな楽しくやって数ヵ月、2月になって男の子が「実家に帰らないといけなくて・・・」という話をし始めました。

ご両親が家賃がもったいないからかえってこいと。それはごもっともです。反論はできない。

 

僕「で、どうするん?インターンのことは置いといて、将来的なことは」

そう聞くと

 

彼「うーん…就職したいです。できれば福岡で働きたいです」

という答え。

何気ない瞬間ですけど、これってめちゃくちゃ大事なんです。

中退するけど、実家に帰ってしばらく考えるとか、適当にバイトして過ごします、ではなくて、「働きたい」「仕事したい」という意思表示。これが大きな分かれ目です。

そうなると、僕も何とかしてやりたいなと思って大学の先生と組んで猛烈に就活モードへと突入します。彼はいったん家を引き払って地元へ帰ります。

しかし、何せ卒業しないものだから就活は一切したことがありません。

履歴書はあっても、エントリーシートとか、自己PRとか、志望動機の書き方とかもゼロから始めるのでしんどい。

しかし、ここは百戦錬磨の大人たちのサポートがあれば何とかなります。サポートにはGoogle Driveのドキュメント機能を使いました。

とりあえず本人に材料を考えて、箇条書きでPRできそうなもの、キャリアにつながりそうなものを書き出してもらう。

それをもとに作文してもらう。ただし、こういう風な構文で書いたらわかりやすいよ、というガイドつき。そこまでやると結構いい文章書くようになります。

細かい伝え方などを修正して、まとめてできあがり。

後は企業に応募するだけなのですが、実は「就職したい」という話を聞いたときに、大学の先生から候補となりそうな企業名を聞いていたので、その場で会社のホームページに行って、彼の目の前でお問い合わせ画面に僕が「面接受けさせてくれ」という主旨の文章を打ち込み、あとは「送信」ボタンをクリックするだけのところで、手を震わせながら「後は君のOKさえあればこのボタンを押すだけだ。それをやれば人生が変わるかもしれない。どうする?」という完全に脅迫まがいの行動をやっていました。

無事に(?)送信して、しばらくすると「ここから応募してください」という人事の方からの返事。そこから書類づくりに突っ込んでいったわけです。

結論からいうと、その会社は不合格でした。しかし、面接なども練習したら問題がなかったので、「数社受けたら何とかなるんじゃね?」と思って、知り合いの方にも協力してもらって数社受けてもらいました。

そうしたら、ちょうどそこから3社目の面接で、人事の方が学生の経験したこととこれから会社がやろうとしていることが重なっているといって興味を持ってくれて、社長も気に入ってくださってあっさり内定が出ました。

彼は来週から福岡にまた越してきて、めでたく社会人。

何があっても3年はがんばって腕に技を身につけろよ、飲みに行こうな、という話をしてます。どうなるかわかりませんが、若者が社会へ巣立っていくのは見ていてすがすがしい気持ちになります。

 

そう、たぶん4人目

ひるがえって、これが僕や僕の会社のためになにかなるのか?

さぁ・・・別にこれの見返りでお金もらったり仕事もらったりするわけではないので、単純に社会貢献です。

あやうく社会とのつながりを永遠に断たれそうだった若者を、かろうじてつないだ、それだけのことです。なお、念のため補足しておくと彼はなんでもかんでも我々のおんぶにだっこだったわけではなく、かなり自主的に動いてやるべきことはやっていました。勘の良い子なのは間違いないです。

で、僕がかれこれそういった感じで社会から落ちこぼれそうだった、あるいは、落ちこぼれていた若者を社会に送り出したのはこの数年で4人目です。

3年半ニートをやっていた人も、社会に復帰する手伝いをしました。今も、彼は復帰先でがんばっています。

ほかの2人も正社員として、ひとりは昨年の春から、ひとりはこの春から働きます。がんばってほしいですね。

 

情けないことに僕の会社で面倒見れればいいのかもしれませんが、それがまだまだできない段階なので他を頼るしかありません。

彼らのがんばりとともに、僕もがんばらねば。