ハリーのタカの目ブログ

起業日記になりそうな予感

トランプ米大統領を辞めさせるには-そもそもの政治制度と弾劾・不信任の違い

「雨降って地固まる」

そんな気分で今のアメリカを眺めています。

早速メディアを中心にトランプさんがにぎわせていますね。そして、不人気ですね、トランプさん。下馬評を裏切らない。

中小企業のオーナーが鶴の一声で方針を変えてしまって、現場や関係者が右往左往しているのに似ているな、と感慨深く思っています。

トランプさんは政治家ではなく、何度も失敗を乗り越えて(少なくとも見かけ上は)大成功を収めているビジネス経営者です。

やれやれ、政治とビジネスは違うんだけどな、と思いながら、なんか中小企業のオヤジ社長ががんばって騒いでるな、とも感じています。

そう考えると、エリート層であり弁護士資格も持ってるオバマさんは、うまくやっていたな、と。でも、その分大胆な改革はできなかったんだろうとも。

 

大統領制と議院内閣制の違い

それで、「トランプさんは不信任されるのでは」という話が周りで出たので、そうか、そうだよな、と思いました。

日本人は日本の政治制度をもとに考えてしまうんですね。

 

日本では、首相(内閣総理大臣)が国家元首としています。この人は議員から選ばれます。その議員は国民の選挙で選ばれます。

それで、首相が各大臣を選んで内閣チームを組むわけですね。議会は、行政について内閣に政治を信任するのです。そして、議会は立法をがんばる。

つまり

国民➡議員➡首相➡内閣

国民と首相は間接的な関係なのですね。

で、首相を選んだ責任は国民にもありそうですが、そこはワンクッション挟んで「いやいや国民の皆様に直接責任があるとは申し上げられません、私たち議員が責任をもってやります」ということになっています。

それで、首相がいい加減なことをやっていたら、議会の権限で「あんたに日本の政治は任せちゃおけんわ」といって「内閣不信任決議案」を出して、一定の条件で可決されれば、首相は「ふざけんな」と言って議会を解散するか、甘んじてそれを受け入れることになります。面白いのは、首相は再チャレンジできるんですね。議会が可決しても、国民はまた(間接的に)選ぶことになるかもしれない、と。

 

 

しかし、大統領制というのは直接の国民投票で選ばれることになっていて、直接国民に責任を負っています(実質の大統領選挙制度は、間接民主制の形を取っているわけですが、最終投票はやはり国民が行います)。

国民が直接選ぶわけですから、権限も役割も、義務も責任も大きいわけですね(選挙にかける時間とエネルギーを考えてみてください)。その代り、そんなに大きな力を持つ国家元首がコロコロと変わるようでは政情不安になりますから、よほどのことがない限り大統領は変わりません。したがって、比較的短く感じられる任期4年、最長でも再選8年です。

日本の首相と大統領では、基盤となる政治制度も、それができた基本思想もまったく異なるので同じように考えることは難しいのです。

 

大統領の弾劾

それで、早い話どうするかというと、トランプさんに大統領を辞めさせるには「弾劾」するしかありません。

合衆国憲法では

大統領…は、反逆罪、収賄罪又はその他の重罪及び軽罪につき弾劾され、かつ有罪の判決を受けた場合は、その職を免ぜられる。

とありますから、トランプさんが在任中に何かしらの犯罪に手を染めて、しかもそれが訴追されて、有罪判決されたら晴れてお役御免となるわけですね。

過去、ニクソン大統領がウォーターゲート事件の時に弾劾されてますが、司法権妨害、職権濫用、議会侮辱が罪状で、弾劾が議会で決議される前に辞任しています。

あとはトランプさんが「こりゃ、辞めるしかないわな」といって辞任するような状況が出てくれば、反トランプ派は喜ぶかもしれません。

議会侮辱はありそうですね(笑)

でも、そうなったとして本当に次のリーダーはいるのかな?

 

4年待つ

先ほども書いたように、大統領の任期は4年ですから東京オリンピックのときにアメリカ大統領選挙が行われて、そのときトランプさんが人気を落としていれば変わる可能性があります。

政治はしたたか

あとは、ケネディさんと同じ轍を踏むか、という話ですがどうでしょう。

トランプさんが騒いでくれて、米国内が混乱するほど、得をする人もいるわけですね。米国内外でニヤニヤしながら眺めている人が。

もしこのまま米国が混乱し続ければ、必ず国家として弱体化します。人材の流出や資産移動などが起きるかもしれません。

でも、トランプさんがちょっとやったところで、今の大きな流れは変わらないような気がします。毎年100万人を超える正規移民はこれからも後を絶たないでしょう。

今回の措置はあくまでもテロ対策となっていますので、移民が増えることは別に否定していないわけです。

それに、トランプさんがはちゃめちゃにやってくれた方が、後に大統領になる人はかなりやりやすいですよね。人気も取りやすそうだし。

もちろん、そんな長い目で見てられないという人は、近道を選ぶのかもしれませんが…次期大統領を見すえて力を蓄えるか、候補を今のうちに擁立して育てるのが早道のように見えます。

 

それにしても、これだけ米大統領の挙動が国際的に影響力を与えているのを目の当たりにすると、やはり世界はグローバル化したのだなと実感しますね。

そして、僕個人としてはトランプさんが「ビジネス界出身の大統領」として何をやってくれるのか、それがどう影響を与えるのか、冷静に見て興味を持っています。

あまり嫌悪感とかはおぼえません。恐らく、トランプさんがよく見かける企業のオーナー社長に似ているところがあるからだと思います。

また何か思ったら書きます。

 

追記

スタバがこのような発表を行うのも、ある意味トランプさんが騒いでくれてるから逆手に取ってますよね。

www.jiji.com

これ、措置がなくても勝手にやれば良かった話なのでは・・・と思います。