ハリーのタカの目ブログ

起業日記になりそうな予感

社会保険に加入してみた

こんにちは、ハリーです。

会社をつくってから一昨日でちょうど4ヵ月となりました。ありがたいことにまだつぶれずになんとか生き残っています(笑)

ところで、今月から社会保険に加入してみました。

いや、「してみた」っておかしいわけで、会社法人であれば役員だろうが社員だろうが、一定の条件でお金を払う場合は社会保険に加入しなければならないのです。

社会保険の根拠法

これは、健康保険法厚生年金保険法という2つの法律によって定められています。個人事業主でも常時5人以上雇っていると支払わないといけないとか、細かいことはいいんですけど、とにかく会社法人だったら役員報酬や給与を支払うときは、この2つの保険料を払うんです。

違反するとどうなるか

で、これ義務なんで違反すると罰則があります。6か月以下の懲役または50万円の罰金となってます。

社会保険に本来加入すべき(給与を払っている社員がいる)なのに、加入申請をしていなかったりすると、これはもう違反になるわけですね。

社会保険料は会社と個人で折半って知ってましたか?

では、なんで違反するんでしょうか?

簡単です、会社負担のコストが高いからです。

みなさんが毎月給与明細をもらっているなら、社会保険料の欄で健康保険と厚生年金でがっつり引かれているのを見て、「なんで俺病院行かないのに・・・」とかぼやいたことあるかもしれません。

実は、それと同額を会社は毎月国に支払っています。税金なんです、これは。

社会保険料は毎年のように徐々に上がっていますし、都道府県によって若干の料率は違うみたいなんですけど、要は額面の給与の約30%くらいが課せられていて、それを支払う側と受け取る側で半分ずつ支払ってるんですね。

案外このことを知らずにサラリーマンやってる人が多くて、「給料が上がらない」とぼやいたり会社の愚痴を言ったりするんですけど、会社はみなさんの給与額面+15%のコスト負担があるということくらいは知っておいてよいと思います(だからといって、卑屈にならなくていいのです)。

40歳以上の方は、さらに介護保険も1~数%はそれぞれ負担していることになります。

会社が本当に支払ってるかどうか

最近「社会保険を払ってない会社がある」ということを時々耳にします。

最初はふーんくらいにしか思ってなかったんですけど、会社は社会保険料を折半せずに済むので、せいぜい額面の給与と雇用保険(折半ではない)を払うくらいでしょうか。ひどいところは雇用保険も払ってないかもしれません。

こうなると、社員はもらった給与の中から自分で国民健康保険国民年金を払う、ということになります。

しかし、これは繰り返しになりますが義務違反なので、支払ってもらわないと国としては困るのです。だって、国民年金だけ取ってみても今は毎月1万5千円くらいですけど、これって毎月の給与を10万以上払うと厚生年金はだいたい1万7千円~8千円くらいになるんで、差額がありすぎるんですね。

「こいつ(厚労省)、動くぞ・・・」

毎日のように介護問題、社会保障費増大、少子高齢化の話題がちまたにつきません。日本の税収が今後右肩上がりに伸びるとも見えません。これからもっと介護保険とか医療保険使う人が出て来て、年金受け取る人も増える、若い人は減るってのに、財源どうすんだ、という話になるんです。

そこで偉い人は考えました。払うべきものを払ってもらおう、と。

昨日の日経新聞第一面がそれでした。厚生労働省が本格的に動き出すようです。

www.nikkei.com

 

先ほど、罰則は懲役6ヵ月以下または罰金50万円って書いたんですけど、どっちかというと当然過去の滞納分を払え、という話になると思います。

時効は2年なんで、仮に40歳未満のひとりに月額で額面10万円くらい払っていたとして、福岡県の平成28年3月分の料率で考えると

ひと月:健康保険料10,504円+厚生年金保険料18,541円=29,045円

一年間:12×29,045円=348,540円

となります。

この金額は中小零細にとってはつらい。だって、元々つらいんだから払ってないんです。

最悪なケースで行くと表面的には毎月社会保険料を給与から控除しておきながら(給与明細にはそう記載している)、実際は加入していないパターンです。こうなると、会社はそのお金を別のことに使っていて、しかも個人はその間ずっと未加入ということでとんでもないことになります。

厚生労働省が摘発に行った時に、これは原則として会社が払え、という話になると思うんですね。社長が社員に、「すまんけど半分よろしく」なんて言えるんでしょうか?僕だったら絶対に言えません。でも、不正するつもりではなく、払いたくても払えず、負担を減らしたくて、言えなかったとしたら、今はその気持ちはわかります(そもそも雇わなきゃよかったやん、って言うのは正論なんですけど、経営ってそういう側面もあるものなんです)。

払わないってどんな感じなのか

 ところで、僕は今回初めて自分に給料(役員報酬)を出さないといけなかったので…って書くと、ややこしいんですけど、基本的には事業開始時から3ヵ月以内に役員報酬の支払方法について決めないといけません。法人税法で決められています。別に途中で変えてもいいんですけど、増額するとその分が損金にならない。つまり、多く税金を払わないといけなくなるんですね。だから、3か月以内に決める。

それで、僕の場合は1月がタイムリミットだったんですけど、あれこれやっているといつの間にか時間が過ぎてしまっていて。

で、あんまり大きな声では言えないんですけど、給料を1月に払ったことにはできるんですね。そうなると社会保険料どうなるんだろうと思って、管轄の年金事務所に電話で聞いてみました。

社会保険の加入は月をまたぐことはできない

というお姉さんの丁寧な対応だったので、それってどうしたらいいんですか、と聞くと

1月分は国民年金国民健康保険ですか?であれば、それはそのままで。

とのことだったわけですね。

それで、ははーん、と。法人から個人に給料が支払われる事実については、厚生労働省側は関知できないということなんですね。だから、自分から申請してもらわないといけない。一方で、国税庁は会社がどれくらい給料を支払っているかはわかる。

 なので、会社側は給料を払っていても、だんまりを決め込んでしまえば加入義務のある社会保険料を支払わなくても済む。

マイナンバー効果

今回マイナンバーが導入されて支払情報や税金の情報を、国税庁厚生労働省が共有するシステムができれば、どこが払ってないかすぐにわかってしまいます。

今までは、「給料払ってそうなのに、社会保険加入してないのはおかしいぞ・・・」といった疑惑ベースで調査をしていたのが、今度からデータで根拠が出てしまう。ある意味で正直者はバカを見ない世の中になったと言えます。しかし、これでたくさんの会社がつぶれるでしょうし、ある意味で職を失ってしまう人も出てきてしまうと思います。格差は、進む。

無理のない範囲で給料を出すしかない

僕は今ひとりしかいないし、しかも給料と言ってもほとんど標準報酬月額で言えば最低レベルの金額しか出せません。それでも、上記のように年間で言えば何十万円というお金をひねり出さないといけないのです(今は、僕と会社の財布は一体みたいなものなので)。

色々悩んだんですけど、将来的に会社に誰かに入ってもらって、給料を払おうとしたときに、「いや、ごめんね」、なんて言えないなと。というか、言いたくない。

そんなわけで、2月から加入することにして、社会保険の手続きを言われたとおりにやることにして、昨日書類を郵送しました。申請に必要な書類などは日本年金機構のホームページからダウンロードできます。

 「社会保険料は会社にとって負担が重い」というのはずっと聞いていましたが、いざ、自分のこととして考えてやってみると、ほんとに大変だなと思います。

参考までに、福岡県の社会保険料率を画像で貼っときます。見方は、自分の額面の給与(手取りじゃなくて)を左から2番目の報酬月額の範囲がどこか探して、健康保険料ところで40歳未満であれば10.10%、40歳以上であれば2号被保険者、厚生年金の方はたぶんほとんどの人が一般被保険者なんで、左側の17.828%のところを見てください。

折半額が会社と個人が負担してる分です。40万以上給料もらってる人は、知りません(笑)

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そんなわけで、またひとつ壁を超えた感じになりました。

来年は給料上げられるかな・・・