ハリーのタカの目ブログ

起業日記になりそうな予感

トランプ米大統領を辞めさせるには-そもそもの政治制度と弾劾・不信任の違い

「雨降って地固まる」

そんな気分で今のアメリカを眺めています。

早速メディアを中心にトランプさんがにぎわせていますね。そして、不人気ですね、トランプさん。下馬評を裏切らない。

中小企業のオーナーが鶴の一声で方針を変えてしまって、現場や関係者が右往左往しているのに似ているな、と感慨深く思っています。

トランプさんは政治家ではなく、何度も失敗を乗り越えて(少なくとも見かけ上は)大成功を収めているビジネス経営者です。

やれやれ、政治とビジネスは違うんだけどな、と思いながら、なんか中小企業のオヤジ社長ががんばって騒いでるな、とも感じています。

そう考えると、エリート層であり弁護士資格も持ってるオバマさんは、うまくやっていたな、と。でも、その分大胆な改革はできなかったんだろうとも。

 

大統領制と議院内閣制の違い

それで、「トランプさんは不信任されるのでは」という話が周りで出たので、そうか、そうだよな、と思いました。

日本人は日本の政治制度をもとに考えてしまうんですね。

 

日本では、首相(内閣総理大臣)が国家元首としています。この人は議員から選ばれます。その議員は国民の選挙で選ばれます。

それで、首相が各大臣を選んで内閣チームを組むわけですね。議会は、行政について内閣に政治を信任するのです。そして、議会は立法をがんばる。

つまり

国民➡議員➡首相➡内閣

国民と首相は間接的な関係なのですね。

で、首相を選んだ責任は国民にもありそうですが、そこはワンクッション挟んで「いやいや国民の皆様に直接責任があるとは申し上げられません、私たち議員が責任をもってやります」ということになっています。

それで、首相がいい加減なことをやっていたら、議会の権限で「あんたに日本の政治は任せちゃおけんわ」といって「内閣不信任決議案」を出して、一定の条件で可決されれば、首相は「ふざけんな」と言って議会を解散するか、甘んじてそれを受け入れることになります。面白いのは、首相は再チャレンジできるんですね。議会が可決しても、国民はまた(間接的に)選ぶことになるかもしれない、と。

 

 

しかし、大統領制というのは直接の国民投票で選ばれることになっていて、直接国民に責任を負っています(実質の大統領選挙制度は、間接民主制の形を取っているわけですが、最終投票はやはり国民が行います)。

国民が直接選ぶわけですから、権限も役割も、義務も責任も大きいわけですね(選挙にかける時間とエネルギーを考えてみてください)。その代り、そんなに大きな力を持つ国家元首がコロコロと変わるようでは政情不安になりますから、よほどのことがない限り大統領は変わりません。したがって、比較的短く感じられる任期4年、最長でも再選8年です。

日本の首相と大統領では、基盤となる政治制度も、それができた基本思想もまったく異なるので同じように考えることは難しいのです。

 

大統領の弾劾

それで、早い話どうするかというと、トランプさんに大統領を辞めさせるには「弾劾」するしかありません。

合衆国憲法では

大統領…は、反逆罪、収賄罪又はその他の重罪及び軽罪につき弾劾され、かつ有罪の判決を受けた場合は、その職を免ぜられる。

とありますから、トランプさんが在任中に何かしらの犯罪に手を染めて、しかもそれが訴追されて、有罪判決されたら晴れてお役御免となるわけですね。

過去、ニクソン大統領がウォーターゲート事件の時に弾劾されてますが、司法権妨害、職権濫用、議会侮辱が罪状で、弾劾が議会で決議される前に辞任しています。

あとはトランプさんが「こりゃ、辞めるしかないわな」といって辞任するような状況が出てくれば、反トランプ派は喜ぶかもしれません。

議会侮辱はありそうですね(笑)

でも、そうなったとして本当に次のリーダーはいるのかな?

 

4年待つ

先ほども書いたように、大統領の任期は4年ですから東京オリンピックのときにアメリカ大統領選挙が行われて、そのときトランプさんが人気を落としていれば変わる可能性があります。

政治はしたたか

あとは、ケネディさんと同じ轍を踏むか、という話ですがどうでしょう。

トランプさんが騒いでくれて、米国内が混乱するほど、得をする人もいるわけですね。米国内外でニヤニヤしながら眺めている人が。

もしこのまま米国が混乱し続ければ、必ず国家として弱体化します。人材の流出や資産移動などが起きるかもしれません。

でも、トランプさんがちょっとやったところで、今の大きな流れは変わらないような気がします。毎年100万人を超える正規移民はこれからも後を絶たないでしょう。

今回の措置はあくまでもテロ対策となっていますので、移民が増えることは別に否定していないわけです。

それに、トランプさんがはちゃめちゃにやってくれた方が、後に大統領になる人はかなりやりやすいですよね。人気も取りやすそうだし。

もちろん、そんな長い目で見てられないという人は、近道を選ぶのかもしれませんが…次期大統領を見すえて力を蓄えるか、候補を今のうちに擁立して育てるのが早道のように見えます。

 

それにしても、これだけ米大統領の挙動が国際的に影響力を与えているのを目の当たりにすると、やはり世界はグローバル化したのだなと実感しますね。

そして、僕個人としてはトランプさんが「ビジネス界出身の大統領」として何をやってくれるのか、それがどう影響を与えるのか、冷静に見て興味を持っています。

あまり嫌悪感とかはおぼえません。恐らく、トランプさんがよく見かける企業のオーナー社長に似ているところがあるからだと思います。

また何か思ったら書きます。

 

追記

スタバがこのような発表を行うのも、ある意味トランプさんが騒いでくれてるから逆手に取ってますよね。

www.jiji.com

これ、措置がなくても勝手にやれば良かった話なのでは・・・と思います。

 

Google Adwords-「今広告は表示されていますか? いいえ テキスト広告の診断情報のみを取得できます。」への対応

ハリー@福岡の経営者です。

今回はGoogle Adwords(グーグルアドワーズ)で困ったことへの対処方法をご紹介します。

これは、次の症状が出た方を対象としています。もしかしたらまったくマニアックなパターンかもしれないので、無関係な方がほとんどだろうと私も思っています。

 

キーワード>検索語句>ステータス

に行って吹きだしマークにマウスオンすると

今広告は表示されていますか?

いいえ  テキスト広告の診断情報のみを取得できます。

f:id:Harryike:20170106174103p:plain

 

と出てしまっている方へ。

※図ではキャンペーンを有効にしていませんが、明らかに有効になっている(広告審査も済)のに出た場合です。

 

思い切ってサポートセンターに問い合わせる

結論から言うとこれが速いです。

AdWordsのホームページに行くとサポートセンターの電話番号がありますので、手順に沿っていくとアドバイザーの方につながって色々と教えてくれます。

https://adwords.google.com

今回は女性の方が丁寧に対応してくださいました。

 

電話はしたくない方へ

それでも電話はしたくないという方で、こちらにたどり着いた場合に。

キャンペーンのサブタイプが「動的検索広告」になっている場合は要注意です。

このタイプはランディングページの内容にもとづいて広告を自動生成するものなので、キーワードとは関係なく広告を掲載します。

なので、各キーワードの表示回数(インプレッション)はゼロなのに、合計表示回数は数字が上がっていたりします。

したがって、純粋にキーワード連動だけで広告を掲載したい場合は

キャンペーン作成(+)
>検索ネットワークのみ(ディスプレイ対応の場合は一番上を選択)
>タイプ:標準またはすべての機能

から、キャンペーン設定>広告設定に向かっていくと良いです。

 

とにかく、ステータスで「いいえ」が出ている場合は掲載されていませんので、何らかの対処が必要です。

最初、検索数が少ないからか…?などと思っていましたが、関係ありません。

即座に手を打ちましょう。

最後に、これは初歩的なミスだろうと思っています。

年金事務所による社会保険調査に行ってみた

ハリー@福岡の経営者です。

以前、社会保険についての話を書きました。

harryike.hatenablog.com

 

この記事を書いてから、時々「社会保険 加入したくない」 という検索キーワードでこのブログに来られる方も出てきました。

えぇ、気持ちはわかりますが、条件に当てはまる以上、もう加入しないとかえって損な制度と時代になっています。諦めて加入して、もっと生産的なことに時間とエネルギーを使った方がよいと思います。

 

それで今回は、年金事務所から

「お前んとこの事業所調査するぞゴルァ」

「ついては事務所まで来いやゴルァ」

「この調査は法律で定められてんだゴルァ」

という招集状が届き、日時も指定されて調査に行くことになりました。

なので、今回も「行ってみた」というよりも「行かないといけなかった」という話です。

この調査は、正式には「全国健康保険協会管掌健康保険及び厚生年金保険被保険者の資格及び報酬等の調査の実施について」と言うそうです。

長い。

要は「お前んとこの会社は社保ちゃんとやってんのかゴルァ」ということなので、そういうタイトルにしてしまえばいいと思うんです。

狙ってることをそのまま書く。まどろっこしい感じで長々と書くからこちらも引いちゃう。

 

うち一人も雇ってないんだけど…

何にせよ、僕の会社は僕一人しかいないので、色々書類持ってこいと言われても無いに等しいわけですね。

それで、招集状が来たときに年金事務所に電話して聞いてみたんです。

「うち一人しかいないんですけど。雇用とかないんですけど(行きたくないんですけど)」

というと、たまたまですがイヤな感じの人で

「そうは言われましても、書類に記載しております所得税の領収書とか給与明細等はございますんではないでしょうかぁ?はは」

というノリで言われてむかついたので

「たったこれだけのために行くの面倒なんですけど(ホンネ)」

って言ったら

「決まりでして、はは」

みたいな返しで、とにかくその日は腹立ちっぱなしで、手帳でこの用事を見るたびに思い出してむかついてました。

 

そして当日

いよいよその日がやってきまして、必要書類を揃えて年金事務所に行きました。

会議室に通されて、パーティションで区切った複数スペースでは他の会社さんが喧々諤々やってる感じでした。

僕は、職員の方に調査の主旨を説明されて、書類を渡しました。

ぼくひとりなんで、書類は少ないし、見るポイントも決まってます。

3分くらいで

「ちゃんとされてますね。問題ありません。優良事業所です」

と。

 

( ゚д゚)ポカーン

としていると。

「これはすべてひとりでされているんですか?」

と聞かれるので

「はい、そうです。今、調べればだいたい何でも自分でできますし、わからないことがあれば年金事務所さんにお伺いしてるので」

というと

「そうなんですよね。調べればできるんですよね。でもそれがなかなか…」

と。

せっかく来たので、「他の会社さんってどんな問題があるんですか?」と聞いたら

・給与が変わったのに社会保険料をそのままにしている
・住所等の変更があった場合に届け出てない
・賞与を払ったのに賞与支払届を出してない
・社保に加入すべき条件で人を雇用しているのに加入していない

ということでした。

 

新規適用があった事業所を中心にランダムで抽出してます

「この調査は、社会保険の新規適用があった事業所さんを中心に、ランダムで抽出して対象としています」

という説明があったので

「何かまずいことでもあるのかと思っていました」

と言ったら

「そういうわけではないんです。ランダムです

と。

 

全事業所対象の調査+4年ごとに調査

社会保険料が重要な財源と目されている今、今後締め付けがますます厳しくなるだろうというのが僕の見方ですが、詳しいことは忘れましたが何かの調査が全事業所対象で実施されるのと、4年ごとにまたこういった調査があるそうです。

そのとき僕の会社はどうなってるでしょうね~

ちなみに僕と同じように呼ばれた会社のみなさん、ちゃんとやってれば何の問題もなく終わりますのでご安心ください。

 

33万円の利益が3万円になった話

ハリー@福岡の経営者です。

ちょっと前の9月末で初めての決算が終わったわけですけど、わかっちゃいるけどなんだかな、という税金のお話です。

大した売上もないんですが、それでも黒字にしようと思って33万円の利益を残しました。売上から色々なものを引いていって、最後にぽつんと残るものです。

本当はもっと色々と経費にはできたんですけど、あえてそうしました。

 

法人税がどーん

普段の経理処理は僕がぜんぶやるわけですが、最終的な決算処理と法人税の申告は以前からお世話になっている税理士さんにお願いしました。

計算してもらったところ

税理士さん「法人税等合計が15万円です」

僕「うーん。やっぱりそれくらいですか…」

 

ほとんど半分がなくなりましたね。

ちなみに、法人税とひとえに言っても内訳があります。

法人税(国に払う税):50.500円

・地方法人税:2,200円

・事業税:11,400円

・県民税:20,800円

・町民税:61,000円

⇒合計:150,800円

そんなこんなで約15万円。もちろんすでに払いました。

 

ちなみに、赤字だったら税金がまったくかからないかというとそんなことはありません。

法人があるだけで、県と町に税金を払わないといけないのです(休業していると別な場合もあり)。

均等割りと呼ばれるもので、合計で7万円くらいです。

 

税理士報酬がどーん

そして決算が終わるとき

税理士さん「決算報酬で15万円お願いします」

僕「Σ(゚Д゚)」

 

そうか、わかっちゃいたけど、そうだよな・・・

 

ということで、33万円の利益が3万円になりました。

第2期目もがんばります。

 

 

2016年アメリカ大統領選挙の投票率

昨日の米大統領選、老若男女問わず多くの方が関心を持っていますね。

 

僕が思ったのは、これだけ日本でも騒いでるんだから、現地のアメリカの投票率はさぞ高かったんだろうな、と。

 

で、投票率に関する日本語の記事は11月10日現在でも見当たらなかったので現地のメディアを当たってみました。

こちらの記事が引用元です。

uproxx.com

 

2016年米大統領選の投票率は近年最低の48.62%

結論から行くと、昨日の米大統領選、有権者の投票率は48.62%と最低レベルとなっています。

Going into election day, many thought that 2016 would shatter voter turnout records, and early exit polls on Tuesday supported that belief. But in the end the 2016 election looks like it will have produced the lowest voter turnout in modern American history when it comes to percentage of the voting age population that actually voted. Current data shows that only 48.62% of Americans of eligible voting age actually got out to vote yesterday.

投票率が57.1%と高かった、現オバマ大統領の初当選時に比べると大幅に下がっています。この時は、対抗馬がジョン・マケイン(共和党)、ラルフ・ネーダー(独立)、ボブ・バー(リバタリアン党)でした。

 

今回、一体何が起きたんでしょうか?

記事の中にワシントンポスト記事の引用があります。前回2012年の大統領選(オバマさんvsロムニーさん(共和党)vsジョンソンさん(リバタリアン党))と比較したデータです。

In Michigan, Clinton got 13 percent fewer votes than Obama. Trump got 7 percent more than Romney.

In Pennsylvania, Clinton got 5 percent fewer votes than Obama. Trump got 9 percent more than Romney.

In Wisconsin, Clinton got 15 percent fewer votes than Obama. Trump did slightly worse than Romney — in a state that was home to Romney’s running mate.

 

 要は、前回と比べて

ヒラリーさんは前回オバマさんが獲得した票よりも5%~15%少ない州がある、と言ってます。

逆に、トランプさんは前回のロムニーさんよりも得票率が高かった、と。

 

ヒラリーさんの敗北は低い投票率のせい?

引用したメディアでは、投票率の低さがヒラリーさんの敗北につながったと考えています。

Last night and this morning many seemed to think that the reason Trump won was because angry white voters turned out in large numbers to vote for him. But with nearly all the votes now tallied it appears as though that’s just not the case. In fact, Trump garnered fewer overall votes nationwide than John McCain and Mitt Romney, the past two losing GOP nominees, did in 2008 and 2012. As of this writing, with almost all votes counted, Trump has tallied 59,611,678 votes; Romney pulled in 60,933,504 in 2012, and McCain 59,948,323 in 2008.

「現状に怒り狂った白人がトランプに投票した、と多くの人が考えたようだが事実は違う。

実際は、全体で見れば過去、ジョン・マケインやミット・ロムニーが得た票数よりもトランプの得票数は少ないのだ。

この記事の執筆時点でほぼすべての投票数が数えられているが、トランプは約5,961万票に対して、2012年のロムニーは約6千万票、2008年のマケインは約5,995万票だった。」

 

一方のヒラリーさん。

By comparison, Hillary’s 59,814,018 votes (which won her the popular vote, but not the Electoral College vote) is considerably less than the 69,498,516 Obama got in 2008, and the 65,915,795 he received in 2012. She was particularly hurt by low turnout in crucial swing states. 

 「対して、ヒラリーは5,981万票を獲得したが、2008年にオバマが6,949万票、そして2012年に6.591万票と、比較するとかなり少ない。

ヒラリーは、揺れ動く国家における低い投票率によって敗けたのだ。」

 

この後も、記事ではヒラリーさんは黒人やヒスパニック系の層で有利だったが、オバマさんの時よりも支持が少なくなっていたことや、ヒラリーさん自身がどんな人物として見られていたかが書いてありますが、ここでは割愛します。

したがって、ヒラリーさんが以前民主党支持だった有権者を、再度投票させるほどのインパクトを与えられなかった、ということになります。

実際、得票数ではヒラリーさんが上回っておきながら、民主党そのものがオバマさんの選挙時ほどの基盤が得られなかったのは大きかったのかもしれません。

国内外のメディアでも「ヒラリーさん優勢」と言われていましたが、州ごとの局所戦で共和党に席を明け渡している事実は見逃せません。

個人的な考えですが、ある意味ヒラリーさんを敗けさせたのは、現オバマ政権の民主党でもあるとも思えます。

最後に、参考まで記事が提供している投票率の過去のデータです。

左から有権者数、投票者数、投票率です(wikipedia引用)。

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どんな公約が実現されるか

投票で決まった以上は、よほどのことがない限りトランプさんが大統領になるのは変えられません。

トランプさんも、大統領になると決まった以上は軽はずみな発言や態度は控えるのでしょうか?

それはともかく、トランプさんが掲げている公約を、次の記事でご覧ください。

www.newsweekjapan.jp

 

本当に狂った政策なのかどうか、日本に対する影響がどのように出るか、私にはわかりません。

ひとつ言えることは、公約はあくまでも公約であって、政治として実現することはまた別な話だということです。

オバマさんも任期中に「イラク戦争からの撤退」は公約から正式に撤回しました。

二期で、実現できた公約は半分以下と言われています。

トランプさんは70歳、一期終了後は74歳。どこまでやれるでしょうか?

議会との関係をうまくやっていけるか、本当にその公約を実現することが現実的なのか?

ポスト・トランプを見すえて動き出す気鋭の若手は?

 

今後の動向に注目したいところです。

Excelで画面が真っ黒になるトラブルへの対処

Windows10にアップグレードして、Excel2010を使っていて、「セルを結合して中央揃え」や「コピー&ペースト」といった単純作業をしていたところ、急に画面が真っ黒になる(セルが真っ黒になる)というトラブルが発生しました。

何の前触れもなく起こるので、原因もよくわからない。

いったん最小化して戻したり、スクロールして戻すと白くなる。

データ等には影響が出ていない。

 

でも、その後も同じことを繰り返すとやはり起きるので、根本的な解決を求めてみたところ・・・

 

Windowsアイコン>設定>デバイス>Windowsで通常使うプリンターを管理するをオフ

Windows10のホーム画面の左下に、ウィンドウズアイコンがあります。

こちらをクリック

 ↓ 一番左

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次に、設定アイコンをクリック(赤丸で囲ったアイコン)

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Windowsの設定画面のデバイスをクリック

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下の方にスクロールすると「Windowsで通常使うプリンターを管理する」という項目があるので、そちらをオフにします(画面はオンの状態)。

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私の場合は、それで解決しました。

お役に立てれば幸いです。

「過労死」を知る

もちろん人が亡くなるのはつらいことですが、特に自分より若い人が亡くなるのは、胸が痛みます。

自分にできることなんて何もないと思いながらも、社員を雇う側の身としてできることは「過去や現状を知って将来に活かす」、これだけだと思ってこの記事を書くことにしました。

以下は、私の個人的な見解や解釈を含むものですので、実際のケースに当てはめる場合には専門家(弁護士や社会保険労務士)にご相談ください。

 

10月に厚生労働省が初めて「過労死白書」を発表しました。

【参考】平成28年版過労死等防止対策白書厚生労働省

僕の文章を読むよりも過労死について知る一番の早道は白書を読むことですが、ここでは別の情報やデータと併せて考えてみます。

 

そもそも「過労死」とは

僕が調べた限り、過労死の定義は2つあります。これは、僕が考えた定義であり、一般のものではありませんのでご注意ください。

①業務によって非常に重い負担があり、それが主な原因で発症した心臓や脳の病気によって亡くなること

【参考】脳・心臓疾患の労災認定(PDF)(厚生労働省)

 

②業務による強い心理的負荷があり、それが主な原因で精神障がい(うつ病など)が起きてしまい、その結果として自死すること

【参考】精神障害の労災認定(PDF)厚生労働省

 

①は、心臓発作(急性心筋こうそく)や心停止、脳こうそく、くも膜下出血などにより突然亡くなってしまう場合です。

②はうつ病だけに限らず、適応障害統合失調症など他のものも含まれます。

①②はどちらも「労働災害認定(労災認定)」されることで、結果として「過労死」とされるわけです。

当然、ケガやうつ病による休業など死に至らない労災もあり、雇用されている人たちが払う雇用保険によって休業補償などが払われるわけですね。企業はそのための労災保険に加入していたりもします。

参考までに、厚生労働省が発表している「過労死等」の定義を引用しておきます。

「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されています。

平成27年度「過労死等の労災補償状況」を公表 |報道発表資料|厚生労働省

 

過労死ではない業務による死もある

労災認定は、上記の参考資料を見ていただければわかるのですが、様々な細かい要件を満たした場合に行われます。

労災があると思う個人や家族が、労災請求(申請)を行うことではじめて審査が始まるわけです。

【参考】請求(申請)ができる保険給付等(PDF)厚生労働省

 

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ということは、「業務による」と考えて申請しても、審査によって通らない場合もありますし、そもそも申請されていないこともあると考えられます。

認定基準は明確にされているものの、「死人に口なし」で業務に関する記録が残っていなかったり、証拠が不十分で要件をクリアできなかったりすると、たとえ本来は過労死であってもそうは認められない場合もあるでしょうし、きわどいグレーゾーンは最終的にそこに携わる人や部署の方針、考え方によって判断され、入ったり入らなかったりがあるのではないかと推測します。

 

労働時間と残業時間

これらの情報を前提に、過労死白書を見てみましょう。

白書は「過労」をテーマにしているため最初の方は労働時間にページが割かれていますが、労働時間については社員が「時間外労働協定(36協定)」に引っかからないように、あるいは、「場の空気」によって残業時間を自主的に申請しない場合が多いので、実際の数字がどうか、わかりません。参考程度だと思います。

【参考】時間外労働の限度に関する基準(PDF)厚生労働省

※ この記事は2016年10月に書いたものです

36協定に定められる月の時間外労働時間の上限は「月45時間」となっています。これを超えると労働基準監督署に届け出ないといけません。

なお、厚生労働省が定める「過労死ライン」、つまり、この時間外を超えると過労死に近づきやすいという基準は「月80時間」とされています。

また、「月100時間」を超えると「医師による面接指導の実施に努める」とされ、だいぶ「危険」ということが示されています。

さて、実際に働いている人はこの数字を見てどうでしょうか?

僕の友人が勤める会社の人は、今回の一連の報道を見て「過労死ライン」が月80~100に設定されていることそのものを知って、ショックを受けたと言っていたそうです。

時間外労働は、休日労働も含まれますがとりあえず置いといて、月20日労働だったとして、1日あたり4時間以上(18時終業のところは、夜22時に退社)の時間外労働をフルで行ったら、すぐに80時間を超えます。

なので、白書の数字は「参考まで」ということになります。

 

働く人の心臓病で亡くなっている数

白書ではその後、近年の重要テーマである「メンタルヘルス」も取り上げられていますが、そこも飛ばしてしまいましょう。

白書のP16(PDFでは20)まず、「働いている人」で心臓系の病気で亡くなる人の数が出てきます。

【過労死白書 P16 第3-1図 就業者の脳血管疾患、心疾患等による死亡数】

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2015年の人口動態統計では、日本人の死因はガンに次いで第2位に心疾患(心臓病)が来ており、約19万9千人の方が亡くなっています。

平成22年度の数字は、以前に比べれば下がっているものの、毎日83人の働いている方が心臓病で亡くなっていたことを示しています。

非常に、多いですよね・・・

 

仕事が原因のひとつで自殺した人の数

次に、平成27年を最新とする自殺をした人の数と、自殺の原因として「勤務問題」があったとされる数字が示されています。

【過労死白書 P18 第4-1 図 自殺者数の推移(総数、勤務問題を原因の1 つとするもの)】

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こちらも減少傾向にあるとは言え、仕事にからむ自死が毎年2000人以上。こちらも計算したくはないですが、1日に6人の方が亡くなっている計算です。

年齢別や、動機別のデータもありますがこちらは飛ばします。興味がある方はぜひ白書をご覧ください。

 

労災請求件数と認定数

ここで、やっと労災に関する数字が出てきます。

まずは脳こうそくや心臓病などの件数です。

【過労死白書 P22 第5-1 図 脳・心臓疾患に係る労災請求件数の推移】

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最新の平成27年度で、心臓病や脳こうそくなどを発症して「これは労災だ」と思って本人や家族が労災請求した件数です。亡くなった方の件数ではありません。

ここ数年では、年間800件程度が請求されています。

 

この次に、実際に認定(支給決定)された件数と、そのうち死亡件数がやっと出てきます。

これがひとつの「過労死数」です。

【過労死白書 P22 第5-2 図 脳・心臓疾患に係る支給決定件数の推移】

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平成27年では支給決定251件のうち、96件(36.8%)が過労死だったことがわかります。ここ何年かで見ると、100件を久しぶりに下回ったことがわかります。

このまま、ゼロまで向かうことはできるでしょうか…?

 

次に、年齢別の支給決定件数です。

なお、以下の部分では次の点にご注意ください。

・請求件数については「その年度に請求があった数」

・決定件数は、審査・決定に時間がかかりその年度以前から持ち越して判断がなされたもの

・決定は、「業務上=過労死」または「業務外=過労死ではない」の判断結果

・支給決定件数の「うち死亡」が過労死に該当

【過労死白書 P27 第5-9 表 脳・心臓疾患の年齢別請求、決定及び支給決定件数】

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ショックなのは、働き盛りの40代が最も多く、20代、30代も少なからずいる点です。

()の数字は女性ですので、男性がかなり多く亡くなっていますね。

 

そして、支給決定のパターンでどれくらい月平均で時間外労働がなされていたかが示されています。

【過労死白書 P28 第5-10 表 脳・心臓疾患の時間外労働時間数(1か月平均)別支給決定件数】
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これを見ると、「なんで120時間以上の人が少なくて、80~100時間の人が多いのか」と意外に思うかもしれません。

これが、最初の方に書いたからくりが関係しているのではないかと思う点です。

労基署に目をつけられるとまずいため会社のためか、周りがみんなそうしているから空気を読んでか、上限を「過労死ライン」程度で残業時間を申請していたとしたら、どうでしょうか。会社側がそうさせていた、そう報告したとも考えられますが…

実際の認定作業がどのようなものかわからないため、もちろん推測です。

 

今度は、雇用形態別です。

【過労死白書 P28 第5-11 表 脳・心臓疾患の就労形態別決定及び支給決定件数】

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正社員が99%ですが、いったい、どのようにしてパート・アルバイトの方がそこまで働いてしまうのか、語りきれない闇があるように見えます。

また、実際死亡に至った請求でも、半分以上が「業務外」に決定されていることもわかります(平成27年度決定件数うち死亡が211→支給決定件数うち死亡が92)。 

精神障がいの過労死数

つづいて、精神障がいについての資料が始まります。 

労災には、業務上のケガや事故だけでなく、うつ病などの精神にかかるものも含まれることが広まった90年代後半以降、請求件数は伸び続ける一方です。

2015年12月から始まったストレスチェックメンタルヘルスケア対策がどのような結果につながるでしょうか。

【過労死白書 P29 第5-12 図 精神障害に係る労災請求件数の推移】

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次が、精神障がいによる「過労死」の数を示すものです。

【過労死白書 P29 第5-13 図 精神障害に係る支給決定件数の推移】

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 平成27年度の精神障がいによる過労死は93件となっています。一年で行くと4日で一人が業務が原因で精神障がいにかかり、死に至っていることになります。

今後はこの数字が下回っていくことを願うばかりです。

 

つづいて、年齢別の支給決定件数です。

【過労死白書 P34 第5-20 表 精神障害の年齢別請求、決定及び支給決定件数】

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脳・心疾患による過労死は、比較的40代以上が多かったのに対して、 こちらは20代~40代の割合がかなり増えています。

グラフをつくりましたので比較してみましょう。

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そして、93名の方のうち5名が女性。1名は20代(その前年も1名)。

例の事件、支給決定は今年の10月ですので、昨年以前にも同じように亡くなった方がいたということになります。

 

今度は時間外労働の時間別です。

【過労死白書 P35 第5-21 表 精神障害の時間外労働時間数(1か月平均)別支給決定件数】

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ここでは、脳・心疾患の場合と違って、労働時間が伸びるほど亡くなる方が多くなっています。 

時間が少なくても過労死に至っているのは、過労とは異なって職場のパワハラやショックな出来事等が原因で「業務上」と認められたものがあるからでしょうか。

 

そして、雇用形態別のデータです。

【過労死白書 P35 第5-22 表 精神障害の就労形態別決定及び支給決定件数】 

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やはり正社員の割合が圧倒的に多いですが、正社員以外で「うち自殺」に当たらない支給決定件数が多くなっているのが特徴的です。 

 

最後に、精神障がいの支給決定に至った原因となる出来事が集計されていますので、それをご紹介します。

【過労死白書 P36 第5-23 表 精神障害の出来事別決定及び支給決定件数】

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決定を行った件数で、最も多いのは「上司とのトラブル」です。

 平成27年度は259件ですので、2日に1人以上は上司との関係が原因で精神障がいになったと思い、請求を行っていることになります。そして、実際に労災と認定されるのは21件、うち自殺は3件となっています。

その上の「ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行」が決定件数151とかなり多くなっています。支給決定件数は、「上司とのトラブル」よりも多くなっており、うち自殺の件数もやや多いです。人間関係のトラブルよりも、いやがらせやいじめは証拠がつかみやすいからでしょうか。精神障がいの労災が認定されるには、「個人的な要因」が強くないことが求められていますので、そのあたりの関係かもしれません。

そして、同じように多いのが「仕事内容・量の大きな変化」です。

なによりも、こちらは支給決定件数が上の2つよりも多くなっており、自殺に至る人もかなり多いのが特徴です。

 

まとめ

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

まとめというより、個人的な感想をつらつらと書きます。

 

まず思ったことは、男の人がたくさん亡くなってるんだなということです。

平成27年度では189件が過労死認定され、そのうち6件が女性でした(3%)。

報道では若い女性の死が取り上げられ、大企業の対応が迫られていますが、働き過ぎにせよ、うつにせよ、今のところは男性にも注意が必要ということです。

もちろん、女性への対応も必要なのは言うまでもありません。

 

次に、過労死は年間200件程度で推移しているということです。2日に1人は、仕事の関係で亡くなっている。静かに祈るのみです。

 

そして、人が亡くなるのは過労だけが原因じゃないということです。

時間外労働ももちろん影響が強いと思いますが、職場環境や人間関係、仕事内容や仕事量もはたらく人にかなりの影響を与えている。

企業にとっては、精神障がいの労災認定に当たる項目をしっかりチェックして、社内に問題がないか改善に努めるべきです。

 

 最後に、残業問題については社内だけの問題では済まないという話をして終わります。

まず、こちらをご覧ください。平成27年度に過労死関連で調査された、要は「残業をなんでしないといけないか」に対する回答です。

【過労死白書 P36 第2-7 図 所定外労働が必要となる理由(企業調査)】

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言うまでもなく、「顧客へのイレギュラー対応」がほとんどの業種において圧倒的です。「業務量が多い」もありますが、業種によっては少なくなっています。

本来、仕事は「相手があってのもの」です。

企業もはたらく人も、無駄な残業など本当はさせたくない・したくない場合がほとんどでしょうし、会社もネットやマスコミが言うほどひどい会社ばかりかというとそんなことはありません。どちらかというと、まじめに、社員のことを考えている会社が多いと思います。

ワークライフバランス」という言葉で気をつけなければならないのは、「誰までを含めて考えているか」ということです。

大手企業で、個人、あるいは部署のみで完結するワークライフバランスを考えていたらどうなるでしょうか。

月曜日の朝に会議があるからと言って、自分たちのワークライフバランスだけ考えて、金曜日の夕方になって取引先に「資料が欲しい」と言う会社が多くあればどうなるでしょうか。

さらに、回答を見ればわかるようにほとんどの人が「生産性が低い」とは考えていません。ネットやテレビで声高に叫ばれる現実とは違って、現場はそんな風には感じていないようです(もちろん、残業時間との関連で言えば、という話かもしれませんが)。

 

この記事が、みなさんの「過労死」「ワークライフバランス」に対する考えのお役に立てれば幸いです。